ビュー

UML仕様には含まれていない「システムのビュー」という概念がある。
情報を伝達するための適切な図を、さまざまな目的に合わせて容易に選択することができるようになる。
UMLのモデルは多くの場合、システムの「4+1ビュー」と呼ばれるものに分類される。この「4+1」表記法はシステムの4つの異なるビューと、すべての要素がどのように組み合わされるかを示す1つの概要を表す。

設計ビュー

(design view)問題領域の表現方法とそのコンテキストに存在する問題を解決するために、ソフトウェアがどのように構築されるかを説明するクラス、インターフェース、パターンを表す。
このビューは大抵の場合、クラス図、オブジェクト図、アクティビティ図、コンポジット構造図、シーケンス図を使用してシステムの設計を表現する。

配置ビュー

(deployment view)システムの構成、インストール方法、実行方法を表す。
このビューは大抵の場合、コンポーネント図、配置図、相互作用図で構成される。配置ビューはシステム実行に必要なハードウェアの物理的な要素がどのように通信するかを表現し、フェイルオーバ、冗長性、ネットワーク接続形態を示すことができる。

実装ビュー

(implementation view)実装ビューは、コンポーネント、ファイル、リソースなど、システムが使用するものに重点を置き、システムの構成管理に焦点を合わせる。
コンポーネントの依存状況、各ソースファイルのクラス実装状況などを表す。
このビューは大抵の場合、1つまたは複数のコンポーネント図を使用する。他には、相互作用図、ステートマシン図、コンポジット構造図を含む場合もある。

プロセスビュー

(process view)システムのプロセスビューは、平行性、パフォーマンス、スケーラビリティに関する情報を表現することを目的としている。
このビューは大抵の場合、何らかの形式の相互作用図とアクティビティ図を使用して、システムが実行時にどのように振舞うかを示す。

これら4つのビューは次に示すビューによって統合される。

ユースケースビュー

(use case view)これは、エンドユーザが必要とする機能を表す。エンドユーザには、主要な利害関係者、システム管理者、テスト担当者、そしてときには開発者自身もが含まれる。
このビューは大抵の場合、複数のコラボレーションに分割される。コラボレーションは、4つの基本ビューのうちの1つまたは複数とユースケースとを結びつけます。ユースケースビューにはユースケース図が含まれ、多くの場合、ユースケースの詳細を示すためにいくつかの相互作用図が使用される。